三国連太郎さんのデビュー作品「善魔」を観賞しました
1951年
監督 木下惠介
原作 岸田國士
あらすじ
岸田國士の同名小説を木下恵介が脚色・監督し映画化
野田高梧が共同で脚本を執筆した。
新聞記者の "三国連太郎" は上司の中沼部長から、政治家の北浦剛の妻である伊都子が失踪した事件を追うように命じられる。
伊都子は静岡の親友の家におり、連太郎の取材に答えたが
新聞記事にしないことを約束する、しかし他社があらぬことを書き立てた為、仕方なく記事を掲載。
中沼は伊都子と知り合いであり、彼女の記事を掲載することに反対していたが、そのせいで社長たちの反感を買い、左遷させられそうになる。
連太郎は伊都子の妹の三香子に恋心を抱いていたが、三香子は肺の病気で重態に陥ってしまい、やがて死期を迎えてしまう。
余談ですが、役名の "三国連太郎" がそのまま御大の芸名となりました
そして原作者の岸田國士氏は女優の故・岸田今日子さんのお父様です。
木下監督作品でもあり物語もなかなか素晴らしくて好きですが、展開に少々首を傾げる箇所がちらほらとあります。
三国御大の演技は新人なので致し方ありませんが、滑舌の悪さ(有名ですが)とセリフの間の取り方、話し方の早さに観ているこちらは置いてきぼりの感覚です。
しかし!御大の演技をしっかりとサポートしてくださったのがこの二大女優
淡島千景
ご存知! 大女優
宝塚出身で戦時中や戦後に劇団を支えたお一人でもあります
映画出演間もない頃だからか、やや舞台調の台詞まわしが目立ちますが御大をお相手に良い演技をしておられます。
因みに、手塚治虫「リボンの騎士」主人公サファイアのモデルは彼女です
桂木洋子
昭和の中期にかけて活躍した伝説的女優で、今でも映画ファンからは芦川いずみと同様に人気のある方です。
その美しさと可憐な御姿にいつの間にか、画面に釘付けになってしまいます❗
演技も上等です
今の日本にはこの様な女優さんは皆無に等しいでしょう。
時代背景からでしょうか…
台詞全体がお堅くて小難しく肩の凝る映画でしたが、当時の日本の世相等も見ることができるのでその辺りも興味深く観賞できる作品です。
例えば、家庭用暖房器具は "手あぶり火鉢"やSL、サザエさん風髪型の女性を見ることができます❗
興味のある方は是非ご鑑賞あれ。
三国御大の男前姿にも注目
様々な角度から拝見すると、御子息の浩市さんと瓜二つです❗
やはり親子だな〜と
その後の御大の俳優道は皆様ご承知の通り、
大御所にもこのような時代があったのかと思うと微笑ましくなります。
最後にタイトルの「善魔」とは
「善を成すために悪鬼のごとき強い心を持つ」という意味で、キリスト教っぽいですが発想元は仏教とのことらしいです。
映画を愛する皆さんにGod bless you…
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