吉永小百合さん・高倉健さん出演の映画「動乱」を観賞しました
当時お二人の初共演が注目となった作品です
1980年 公開
監督 森谷司郎
脚本 山田信夫
第1部「海峡を渡る愛」
第2部「雪降り止まずは」
犬養 毅首相が殺害された1932年の5・15事件から、陸軍の青年将校が決起した1936年の3・26事件までの "動乱" の時代を背景に、青年将校とその妻の愛情を2部構成で描く超大作です
監督の森谷司郎氏は黒澤明監督の「天国と地獄」や「赤ひげ」でチーフ助監督を経て「日本沈没」や「八甲田山」を手掛けた方である
私の好きなシーンは
自殺未遂を図った薫(吉永)を救った宮城大尉(高倉)は東京に戻った後、薫を妻にするが夫婦間での肉体関係はあらず、体にすら触れようとしない。
宮城の恩師を二人で鳥取に訪ねた帰り道、薫が砂浜で抑えていた感情を爆発させ
「私の体は汚れているから…だから抱けないんですか!!」
と宮城に詰め寄り財布からお金を突き出し
「このお金で私を買ってよ!!」と言う場面です。
実はこのシーン、小百合さん自身も大好きとのこと😊
ラストの死刑執行を控えた宮城と刑務所での別れの場面も感涙で
薫が新調した着物を宮城に着せてしつけ糸をほどき、泣きながらなだれ込むシーンは小百合さんにしかできない演技でしょう。
女の脆さと儚さとを見事に演じきっています
「許してほしい。君を妻にしたことを…君を独りで残していくことを…私を許してくれ」このセリフを言う健さんの涙は名演です❗
そして薫は宮城の手を取り「私は幸せです。あなたの妻になって…」と言い両手で包み込むように握りしめる……
まさに映画史に残る名作なのは云うまでもありません❗
小百合さんが健さんとのエピソードでこの様なことを語っておられました
" 高倉さんは、映画の中で女性と抱き合ってはいけないという思いを持たれていて「ラブシーンはほんとは嫌だ」とおっしゃっていました。
それを無理やり撮らせていただいたので、すごく大変でした。
高倉さんはラブシーンが下手というわけではないんです。
やりたくない、と思っていらっしゃるから大変なんです。
この映画ときは、最後に銃撃されて死ぬところもほんとはやりたくない、とおっしゃっていました。
そういう意味でこだわりを持った方、ご自分の美意識を大事にされていた方でした "
(私が愛した映画たち)より
この映画を観て "高倉健"という偉大なる俳優を失ったことを改めて実感しました
"健さん…日本の映画界は今、寂しい風が吹いています…"
お二人が再び共演し同監督が手掛けた「海峡」も近い日に観てみたいと思います。
God bless you…
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